NPO法人ZESDAは、「霞が関ばたけ」(霞が関界隈で勤務するビジネスマン有志の勉強会)及び「霞が関TEDee」(同地域の英語ディスカッションの勉強会)との共催により、在日各国大使館員の方と交流する朝食会として大使館ツアー(Embassy Tour)」を開催して参りました。
今回より新たに「官民恊働ネットワークCrossover21」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)との共催により、ゲストスピーカーを在京の大使館関係者に限定せず、より幅広く国際機関やビジネス、市民社会関係者にも広げ、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高めるべく、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」と会の名称を変更し、開催を継続することになりました。
PIPDの第1回目として、10月22日(水)朝7時30分より霞ヶ関にて、ゲストスピーカーにIMF(国際通貨基金)のシニア・エコノミストであるGiovanni Ganelli氏をお招きし、「アベノミクスと日本経済」というテーマにてご講演いただきました。
Ganelli氏はご講演の中で、日本経済を自律的な成長軌道へと乗せていく上での鍵となるアベノミクスの3本目の矢である成長戦略は、正しい方向であるが、より野心的な内容を実行していくことが重要であること、その際、①生産性の向上、OECD諸国の中で最も低い水準である最低賃金の引上げ、及び正規雇用契約と非正規雇用契約との間に存在する差異の縮小等を通じたベース賃金の増加、②女性や外国人の労働市場へのより一層の参加促進、及び③コーポレート・ガバナンス改革の推進による株主の声の企業経営への反映等が重要な課題であると指摘されました。
講演に続く参加者との質疑応答では、農業部門の改革が日本経済の成長に及ぼす影響、日銀による量的・質的金融緩和の出口、今後見込まれる消費税率の引上げの日本経済に対する影響、逆に消費税引上げを見送った場合の影響、そして、PFI(Private Financial Initiative)方式による民間資金とノウハウを活用したインフラ整備・維持管理推進の意義等について、活発な議論が行われました。
今後もZESDAはグローバル・ネットワークを構築していくため、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」を共催して参ります。