米国大使特別補佐官より「女性のより一層の社会進出の促進-Womenomicsーへの期待と課題」についてPlatform for International Policy Dialogue (PIPD) 第二回セミナー開催のご報告

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NPO法人ZESDAは、「官民恊働ネットワークCrossover21」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)、「霞ヶ関ばたけ」(霞ヶ関界隈で勤務するビジネスマン有志の勉強会)、「TEDee@kasumigaseki」(同地域の英語ディスカッションの勉強会)との共催、(株)自由が丘パブリックリレーションズの協力により、在京の大使館、国際機関や外資系企業の職員、及び市民社会関係者をスピーカーに迎え、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高める、「Platform for International Policy Dialogue (PIPD)」を開催しています。

11月13日(木)朝7時30分より開催した第二回PIPDセミナーでは、ゲストスピーカーにCaroline Kennedy米国大使の特別補佐官を務められているRoshni Nirody氏をお招きし、「女性のより一層の社会進出の促進-Womenomicsーへの期待と課題」というテーマにてご講演いただきました。

Nirody氏は冒頭、近年アベノミクスの文脈で女性の社会進出が議論されているが、この問題は安倍政権が成立する以前からの長期的な問題であり、また女性だけでなく、現在労働市場で十分な評価を得ていない、あるいは労働市場への参加を阻まれている若者や海外留学から日本企業に就職を試みようとする人々にも当てはまる問題であると指摘されました。そして、2060年には人口に占める高齢者の割合が4割に達し、労働力人口の減少が見込まれるなかで、労働力の在り方について再定義することが、日本が新しい環境に適応していくうえで重要となると述べられました。
 
プレゼンテーションの中では、日本は他のOECD諸国と比べ、企業の管理職における女性比率やジェンダーギャップの大きさなど、女性の登用に関するインデックスが総じて低いことを指摘した上で、アベノミクスによる成長戦略の機動力として労働市場での女性の活躍を後押しするためには、労働環境における「フレキシビリティ」の確保が重要であると強調されました。長時間労働の勤務形態を見直し、勤務場所をオフィスに限定せず在宅勤務を広く認めることで、社員に自由度を与えながら生産性や満足度を高めることに成功した米国のシリコンバレーのケースを引用し、日本においても男女を問わず多様な働き方が許容される社会の構築や、労働環境における男女不平等をなくすための法整備等が今後の課題であると指摘されました。そして、こうした変化を実現するには、企業経営陣や政府によるトップダウンの制度改革だけでなく、職場の環境を変えていくための働く一人一人の行動が大切であると指摘されました。

講演に続く参加者との質疑応答では、男女の働き方に対する日本人の固定観念や、女性が働き続ける上でのメンターやロールモデル、ネットワークの存在の重要性、夫婦別姓に代表される男尊女卑等の文化的な背景、そして社会進出だけでなく専業主婦/主夫という選択も含め、個人が取ることのできる選択肢の拡大の重要性等について、活発な議論が行われました。

今後もZESDAはグローバル・ネットワークを構築していくため、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」を共催して参ります。
引き続き、ZESDAを宜しくお願い致します。

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