「第2回地方創生交流会 スローライフ、スローツーリズムのススメ」開催の報告

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ZESDAでは地域創生支援活動の一環として、2019年4月13日(土)に、石川県奥能登に位置する春蘭の里を題材に「第2回地方創生交流会 スローライフ、スローツーリズムのススメ」を開催しました。

第1回のレポートはこちら

イベントでは、春蘭の里周辺でとれた山菜・魚料理等を来場者の皆様にお召し上がりいただきながら、「スローライフ、スローツーリズム」を中心に、地方の価値について考え合っていただきました。

当日の様子を映像化しました!
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イベントは昼間の第1部と、夕方から夜間の第2部に分けて行われました。

第1部の主テーマは「地方で過ごす新たなライフスタイルの提案」です。
冒頭、イベントプロデューサー、ZESDAスタッフの清水から、イベントの趣旨と春蘭の里に関する概要を説明させていただきました。

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地方における「スローライフ」という言葉の意味が時代とともに変遷してきており、アクセスや生活の面で不便な印象が、交通やインターネットの発達、働き方の多様化により、一層身近な存在になってきていること。それに併せて、新しいライフスタイルの形として、自己実現や居心地の良い場所としての「サードプレイス」としての可能性が高まってきていること等をお話してもらいました。

(その間、キッチンでは来場者にふるまう料理を黙々と準備中・・・)
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続いて、本イベントの主役、春蘭の里の多田喜一郎さんから、春蘭の里に対するご自身の想いについてお話いただきました。
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地域創生の一環として、今から20年ほど前に農家民宿経営をはじめた春蘭の里。0人だったお客様が現在は年間1万人を超えるほどになりました。

春蘭の里と同様に、全国で農家民宿を営む地域の取組みが、少しずつ芽を出してきている。それが今後の地方再生の可能性につながっていく、と多田喜一郎さんは力説されます。

今後、春蘭の里に、喫茶店や旅館経営をされたい方々が夢をもって集まってきてくれるとありがたい。たとえ定住しなくても、365日、一日一人ずつお客様がいらしていただければ、定住人口を“1人”として数えられる公式がある。

石川県庁やZESDA等からの外部支援も得ることで、春蘭の里は農家民宿群として全国で5本の指に入るまでの成果をあげられている、
引き続き、皆様で一緒に春蘭の里を盛り上げていきましょう、といった掛け声で閉めていただきました。

そのあと、お仕事の関係で春蘭の里をサポートしている瀬川さんから、ご自身のご経験をとおした石川県と春蘭の里の魅力をお話いただきました。
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幼少期より全国を転々としていた瀬川さんは、自分の故郷探しの一環で自然豊かな石川県に就職。
春蘭の里を訪問したときに、まさしく自身が探し求めていた田舎の景色そのものであると実感しました。

この環境を保全することこそが自分自身のやりたいことであると気づかれて、都市生活の安らぎの場としての田舎の価値や、石川県内の豊富な魅力(名所・文化・料理等)を精力的に発信されています。

最後に、実際に春蘭の里近辺に移住(旦那様の地元である穴水町にUターン)された小森様ご夫妻を、ZESDAスタッフの高木より紹介し、小森様ご夫妻には、ライブカメラを通じてご出演いただきました。
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お子様含めて3人家族の小森家は、本業と育児の片手間に、春蘭の里の販売所(のと夢づくり)でお菓子づくりをされています。
移住後、都会での生活とは違って、お仕事は17時か18時には終わるので、健康的な生活を送ることができているといいます。

一方で、周辺のスーパーが早い時間に閉まるので、車で1時間以上かけて、お菓子作りの材料を買いにいく苦労もあるとのことです。
現在、小森夫妻がつくられるお菓子にはシフォンケーキのほかにガトーショコラも。
米粉や地元の食材をふんだんに使用したナチュラルスイーツです。
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ネット販売も検討されているとのことで、今後の展開が楽しみです。

講演パートのあとは、来場者同士で、新しいライフスタイルについて考えるワークショップを実施。
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来場者同士で活発に意見を交わしていただきました。

そしてお待ちかね。
多田喜一郎さんと娘さんのまゆみさん、そして調理担当のZESDAスタッフから、春蘭の里の自慢の料理が、来場者の方々にふるまわれました。
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来場者の方からは、普段と違って素材ひとつひとつにこだわった、健康的な料理が食べられて有難いといったお言葉をいただきました。
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続いて夕方からは第2部。テーマは「新しい可能性、サードプレイスとしての地方」。

まずは、昨年3月に行われた第1回地方創生交流会から1年、ZESDAがどのように春蘭の里をサポートしてきたか、その成果、実績をZESDAスタッフの瀬崎より紹介しました。
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当たり前ですが、100%実体験。訪問して対話をするというだけでなく、そこで出たアイディアとデジタルを駆使したプロモーション戦略をいくつも実践し、成果を上げてきました。Wikipedia、YouTube、インバウンド向けHP、クラウドファンディングなど、一つ一つがしっかり「春蘭の里」に目と体が向く施策になっています。参加者の方々も時には大きくうなずき、メモを取りながら熱心に聞いていただけたようです。

続いて、ゲストスピーカーとして評論家/批評誌「PLANETS」編集長の宇野常寛氏にも昨年から引き続き加わっていただき、地方や春蘭の里の新たな可能性、そして地方を「サードプレイス」と捉えた場合、今後どのような関わり方ができるか等について、第1部に引き続き春蘭の里の多田喜一郎さん、参加者の方々と共に意見交換をしました。お仕事の関係で春蘭の里をサポートしている瀬川さんからも、石川県のスローツーリズムについてご紹介いただきました。
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皆さんの意見で印象的だったのは、地方創生=地方に住む人を増やす、そしてとにかく拡大するということだけではなくて、様々な形でその地方のファンになって応援する人を増やすこともこれからは重要になってくるといったことを異口同音におっしゃっていたことです。

それが地方との新しいかかわり方であり、第2部のテーマでもあるサードプレイスに繋がっていく。そこには実体験を伴った感動が必要で、それを直接伝えるために多田さんは、東京のみんなに里の食べ物を持って会いに来た、そうおっしゃっていました。

さあ、そしてお待ちかねの、パーティータイム。
気づけばセミナー会場の後方には、テーブルを埋め尽くさん限りの春蘭の里ならではのごちそうがずらりと並びました。
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多田さん自らごちそうの紹介をしてくださいました。山菜の天ぷら、ブリの漬け、タラの干したもの、イカの酢の物、おにぎり、その場で思いついた山ワサビのしょうゆ和えなどなど、本当に一度食べたら春蘭の里のと虜になること間違い無しな逸品ばかり、そんな最高な食事と一緒なら対話も弾みます。
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楽しい時間はあっという間。おいしい食事と対話で皆さん、
完全に春蘭の里のファンになってくれたようです。
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最後はみんなで記念撮影。どうですか、皆さんの充電完了スマイル!春蘭の里のパワーを全身いっぱいにもらって明日から頑張ろうという気概に満ち溢れています。今回のイベントも大盛況のうちに幕を閉じました。
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最後に・・・
改めて、今回のイベントは
 「春蘭の里」の多田喜一郎さん
 「『PLANETS』編集長」の宇野常寛さん
 お仕事の関係で春蘭の里をサポートしている 瀬川さん
 石川県穴水町でお菓子作りをされている 小森夫妻

をはじめ、参加者各位から多大な協力を頂いたことでイベントが成功に導かれました。
大変ありがとうございました。

今後も、ZESDA全体で「春蘭の里」をサポートしていく予定です。
今回のイベントで至らぬ点もあったと思います。
改善点も振り返りながら、前進する所存でございます。

読者の皆様におかれましても、次のイベント開催時に、ぜひご来場くださいませ。
そして、こんな活動をしてみたい!と思った方、ぜひZESDAにスタッフとしてのご応募やご支援をお待ちしております!