2日目の朝。
昨日はあたりが暗くなってからの到着だったので、初めてヤンゴンの街並みを見通します。緑や赤色屋根のおしゃれな建物が見受けられる一方で、老朽化した建物があちこちで目につきます。
朝食を終えた我々ZESDA隊員は、さっそく「突撃調査」のためにヤンゴン最大のスーパーマーケットであるJunction Squareに向かいます。
まずは現地商品の価格調査です。到着後、さっそく商品一つ一つの価格を調べ、メモを取っていきます。途中、女性店員が怪訝な顔でこちらを見ているのに気づきましたが、「商品を見ながらメモをとる人なんて普通はいないから無理はない」と調査を継続。すると奥からなんと男性の警備員がでてきて、携帯での撮影や値段を記録するのはやめるように言われた。警備員さんの真剣な眼差しと固い表情から「これはやばい」と思って、調査を断念することに(我々を流通業者と思ったのかもしれません)。
続いて、通りすがりの人に予め用意した質問に答えてもらうインタビューを開始。まさに突撃インタビューで、受けてくれそうな人がいると構わずアタック。断られることもありましたが、快諾してくれた人はやさしく丁寧に対応してくれました。なかでも、20代の男性の方が「お金持ちになったらミャンマーのmotherless childrenを支援したい」と言っていたのがとても印象的でした。また、調査中に停電がありびっくりしたのですが、もっと驚いたのは、現地の人が慣れているのか、動揺せずに食事を続けていました。停電はその後も何度かありましたが、結局慣れずじまいでした。。
お昼が近づき、Junction Squareを後にした我々は、証券市場関係者との会食のためにとあるホテルに向かいます。だいぶ余裕をもって向かったつもりだったのですが、まさかの大交通渋滞に遭遇。昨日の夜とは”訳が違う”車の数で、「ごった返す」という言葉が相応しい情景が目の前に広がっています。ホテルが目と鼻の先にあるにも関わらず一向に進まない車の列。結果、待ち合わせに遅れてしまいました。関係者の方はそんなのはいつものことだと仰っていましたが、それにしても異常な交通量でした。。
会食で出たお話の一部が以下です。
•渋滞は本当にひどく、家からオフィスまで1時間半かかることもある。
•優秀な人材を入手しづらい。
•最近の若者は月収1000$U(ミャンマー人の平均月収は約300$U)以上を求めてくることがある。
•過去数度銀行が破綻したこともあり、現金に対しての信頼は高くない。
•昨今設立された証券取引所は年数が短いこともあってあまり認知されていない。
会食後、ホテルに戻り、一息ついた後、インタビューの続きをするために、ヤンゴン大学へと移動。ヤンゴン大学は1920年創立のミャンマーで最も歴史のある大学。学生数は大学生・院生合わせて約5000人。学部は歴史、法律、心理学、哲学、国際関係、コンピュータ・サイエンスなど多岐にわたり、ほとんどの学部で修士、博士への道が開かれています。キャンパスは巨大。車道もあります。
そんな大きな大学で、かつ平日ということでたくさんの学生がいることを想像していたが、実際にキャンパスに入ってみると、人を見つけるのが難しいくらいにがらんとしている(平日と言ったけれども国民の祝日だったのかもしれないが、、)。それに、学生だけでなく、家族連れや作業服を着たおじさん集団など一般の方も見かけた。彼らはキャンパスにあるカフェ(カフェといっても屋台のような簡易なもの)を利用しに来ているようで、ヤンゴン大学が一般人にもオープンで開放的であることを印象づけてくれる。
かれこれ20分くらい歩いているが、学生らしき人になかなか巡り会えない。ただ、散策する中でEconomics, Convocation Hall, Arts, Oriental Studies, Georgraphyといったいろんな学部の校舎を通り過ぎた。外から見ててもつまらないので中に入って進んでいくと、先が見えないほど長い廊下?があったり、明らかに民家のような建物があったり。冒険しているようでとてもワクワクしてきます。
ただ、やはり学生が見当たらなかった(かつ猛暑で数分動くだけでもヘトヘトだった)ので自由な散策をやめ、学生がいそうな場所を立ち止まって考えることに。数分考えて、思い当たった場所が図書館。good idea!。近くにいた人に尋ねて連れて行ってもらいます。
図書館に着いて中に入ると、予想通り、学生らしき人が何人かいました。すぐさま声をかけて、承諾を頂き、インタビューシートに記入してもらうことに成功。その他学生や、図書館のスタッフさんにも記入して頂きました。インタビューシートはすべて英語で書かれていましたが、協力してくれた人は臆することなく、かつわからないところは英語で話しかけてきたりしてスムーズに進めることができました。数時間ほど滞在して、協力してくれた方は10人弱。このインタビューで一番印象に残ったことは「What would you do if you became a millionaire?(もし億万長者になったら何をしたいですか?)」という質問に対して、「donation(寄付)」と答えた方が多かったことでした。我々が元々想定していた答えとは異なるもので、お金を自分のためではなく、人のため、社会のために使いたいというミャンマー人の温かい国民性を感じた瞬間でもありました。
その後、再度Junction Squareに向かって、インタビューを継続。フードコートにあるロッテリアの空いたテーブルを陣取って、協力してくれそうな人を見つけると突撃アタック。協力してくれた人にはもれなくうまい棒を1本プレゼントしました。みんなうまい棒を知っているからなのかそれほど喜んではいませんでしたが(笑)。インタビューも終盤に差し掛かったとき、協力して頂いた超筋肉質の男性が、彼の妹を呼び、妹がお母さんを呼び、お母さんがおばあちゃんを呼びという流れで、最終的に家族ぐるみで協力してくださりました。みなさんとても陽気で仲がよくとても癒やされました。以下はそのときに撮った集合写真です。ご協力本当にありがとうございました。
それから数十分ほど滞在し業務を終了。今日で計約20名近くの方からインタビューすることができました。後日の集計でどんな結果が出るのか楽しみにしながら、明日のティラワ視察に備えます。Day3へと続く。
Day3 「ティラワ視察」
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