米国国務省 政治・軍事担当専門官より「日米防衛協力の指針見直しを巡る議論」Platform for International Policy Dialogue (PIPD) 第五回セミナー開催のご報告

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 NPO法人ZESDAは、「官民恊働ネットワークCrossover」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)、「霞ヶ関ばたけ」(霞ヶ関界隈で勤務するビジネスマン有志の勉強会)、「TEDee@kasumigaseki」(同地域の英語ディスカッションの勉強会)との共催、(株)自由が丘パブリックリレーションズの協力により、在京の大使館、国際機関や外資系企業の職員、及び市民社会関係者をスピーカーに迎え、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高める、「Platform for International Policy Dialogue (PIPD)」を開催しています。

 1月14日(水)朝7時30分より開催した第五回PIPDセミナーでは、ゲストスピーカーに米国大使館、政治・軍事問題担当官のThu Nguyen氏をお招きし、「日米防衛協力の指針見直しを巡る議論」でのプレゼンテーションとディスカッションを行いました。

 Nguyen氏は冒頭、日米防衛協力の指針(以下「ガイドライン」)見直しの前提として、1960年のサンフランシスコ講和条約に始まる日米安全保障条約の締結と、その後の歴史的な展開を紹介されました。具体的には、日米安全保障条約の第4条と第5条が、日本国憲法第9条の規定を踏まえ、安全保障における日本と米国の責任の違いを明らかにしていること、そして、両国にとっての安全保障上の課題が、冷戦時のソ連への対応から、90年代には北朝鮮のミサイルへの対処、そして今世紀に入り海賊やテロ対策、そして増大する中国の軍事力への対応といった形で、変化を続けていることに触れ、現在検討されている「ガイドライン」見直しの趣旨は、こうした安全保障上のコンテキストの変化に日米が適応していくことにある、といった点を説明されました。

 1997年の前回見直しから18年を経て実施される今回の「ガイドライン」見直しでは、宇宙・情報・サイバー空間における新たな安全保障上の脅威等、変容する安全保障環境に対応するために、①日米間の安全保障上の連携をよりグローバルな広がりのあるものとすること、②そのために、各地域の多様なパートナーと連携できる体制を整えること、③日米の関連機関間の情報共有をより一層強化すること、④「平時」と「有事」とを単純に区別するのではなく、自然災害も含め、その間にある多様な事態に切れ目無く(seamless)柔軟に(flexible)対応できる体制を整えること等が主要な課題であると説明。特に、昨年末のソニー米国子会社のハッキング事件にも触れながら、サイバー空間の拡大に伴い、サイバー攻撃の脅威が増していることを指摘されました。日米間では、こうした新たな脅威に関する情報と知識・技術の共有や、共同訓練の実施に取り組んでいることも紹介されました。

 プレゼンテーション後の質疑応答とディスカッションでは、日本人のテロに対する認識を高める上での課題、米国世論や専門家の間での日米安保問題に対する認識の程度、沖縄知事選の結果を受けた基地移設問題の今後の展開、日米安全保障条約の米国にとってのメリット、日米間の安全保障上の情報共有の具体的なアプローチと内容、そして日本国憲法第9条や靖国神社問題の見方等について、活発な議論が展開されました。

 今後もZESDAはグローバル・ネットワークを構築していくため、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」を共催して参ります。
引き続き、ZESDAを宜しくお願い致します。

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