2014年5月17日に日本経済大学大学院246ホールにて第12回プロデュース・カフェを開催致しました。
プロデュース・カフェでは、最初にワールド・カフェ形式のワークショップを行い、次にプロデューシングに繋がるゲストの講演を聞いた後、講演で得た気付きを元に再びワールド・カフェを行い、議論を深めるという形式を採っています。
最初のワークショップでは「10年後に問題となること」について参加者の方々に議論していただきました。
続いて講演では、『未来予測レポート』を販売しているアクアビット代表取締役の田中栄氏をお招きし、「未来予測2013-2025」シリーズの第2回として「サスティナビリティ」についてご講演いただきました(第1回のレポートについてはこちらから)。
「サスティナビリティ」と聞くと、多くの方は環境問題の用語だと思われるでしょうが、そのような限定された話ではなく、今後10年で訪れる「メガトレンド」のひとつだと田中氏は仰います。
そのトレンドの要因となるのは、中国とインドの人口増です。
現在、中国とインドの人口は激増しており、いずれ世界の4割の人口を占めるようになります。
単に人口増だけであれば食料や資源の需要増に技術革新で対応できる可能性もありますが、圧倒的なボリュームゾーンの両国が経済発展することによって、一人当たりでは先進国の消費量の半分程度に増えるだけで、その需要は幾何級数的に増加し、供給が逼迫することは避けられないことが見込まれます。
それは外国の話であって、自分たちに影響はないと感じられるかもしれません。
しかし、冷害による不作からロシアやウクライナが小麦や大麦の輸出規制を行ったりするなど、穀物ナショナリズムの動きが近年活発化しており、今後も穀物の輸出国内の需要が増え続ければ、自国の食糧供給を優先して輸出が制限・禁止されることを前提にビジネスを行わなければいけない状況になります。
また、資源についても、中国のレアメタルの輸出禁止の報道があったように、経済発展によって新興国の需要が増えれば、これまで先進国に輸出されていた分が自国の生産に優先されるでしょう。
このように資源が不足していくことで、持続可能性-サスティナビリティを前提にしないと社会が続かない状況になっていきます。
社会の価値観も持続性を損なう事業を評価しない方向にシフトし、今後のビジネスではそのトレンドを前提に進めていくことが重要になります。
上記の前提を踏まえ、今後は世界のマーケットが二分化していくこと、その中で日本は何を強みとしてビジネスを構築すべきか、今後のモノとカネの相対的地位の変化についてなど、盛りだくさんの内容について説明をしていただきました。
この講演を受けた上で、「自分たちがすべきネクストアクションは何か」という議題で参加に議論していただきました。
難しい議題でしたが、普段はなかなか考えない未来について異業種のメンバーと考えることで、プロデューシングに必要な「客観的な事実に基づき未来を予測し、多分野の観点から適切な対策を考える能力」のトレーニングになったのではないかと思います。
そして、カフェの後は田中氏も含めて懇親会が行われ、参加者同士での活発な交流が行われました。
今回に限らず、カフェ後には毎回、懇親会を行っていますので、普段は出会わない異業種の方と交流していただき、新たな気づきやビジネス・チャンスが得られる場を今後とも提供していきたいと思います。
また、次回のプロデュース・カフェは6月21日に高橋フィデル氏をお招きして開催する予定です。
ぜひご参加ください!!
(NakiOtoko)