多くの方にお申し込みいただき、ありがとうございました。
本講座は、研究・イノベーション学会「プロデュース分科会」とNPO法人ZESDAが共同開催し、多様なプロデュース事例や理論を学習しながら、「気づき」「視点を変え」「考察する」ことによって産学連携を真の成功に導くための推進力を醸成することを目的としています。
2021年以降のシリーズでは、現場における実践知をより立体的に深めていくため、プロデュースする側とされる側の「関係性」に関する研究に踏み込んだ内容となっています。多くの事例に触れることで様々な角度からの知見を得られるよう設計された講座ですので、続けて参加されることをお勧めします。
今回の講座について
日本語の「カワイイ」は世界で「Kawaii」と表記され、いまや現代ポップカルチャーを形容するグローバル言語になっています。「カワイイ」文化はどのようにして生まれ、「Kawaii」カルチャーとして世界を巻き込み、人々の心に浸透していったのでしょうか。そこには、私たちがまだ触れたことのない、プロデューサーシップ研究の貴重なヒントがあるかもしれません。
“Kawaii”でつながる世界
今回、プロデュース人材育成講座Vol.8にお招きする増田セバスチャン氏は、ニューヨークを拠点にアーティスト・アートディレクターとしてユニークな創作活動を展開する一方、NPO法人HELI(X)UM (ヘリウム)立ち上げなどを通じて、学生・実務者向け教育支援活動やチャリティーアート展の主宰など、その絶大な社会的影響力を多様なスタイルで世界に発信し続けています。増田さんのこうした活動を通じて、日本発のKawaiiコミュニティは今や世界各地に広がり、文化の異なる人々同士がお互いの価値観をリスペクトしながら相互に繋がりあっているのです。
日本文化が世界とコラボする
また増田さんはアート作品制作や個展を通じた自身の表現活動だけでなく、原宿「KAWAII MONSTER CAFE」のプロデュース、高知よさこい祭りでの“常勝チーム”ビジュアルプロデュース、THE BODY SHOPやコンラッド・ホテルズとのデザインコラボレーションなど、多様な分野でクライアントと共創し、これまで誰も見たことのない新たな商品・サービスを生み出してきました。
“Kawaii”は私たち日本人の伝統的生活文化に根ざしていると増田さんは語ります。こうした日本独自文化のグローバル発信やコンテンツ産業の方向性、新しい価値やコンセプトの創造、文化の異なる海外とのコミュニティづくりなど、これまでアートやポップカルチャーに接する機会のなかった方々にもきっと新鮮な気づきとヒントが得られるはずです。
増田さんによる今回の講座では、次のようなことをお話しいただく予定です。
- Kawaiiカルチャーはどのように作られ、世界に波及していったのか
- 日本から生まれるファッション、エンターテイメントが持つパワーとは
- 多様性の時代にこそ求められるグローバルな「コミュニティ」のつながり
登壇者プロフィール
増田セバスチャン(ますだ せばすちゃん)
アーティスト
1970年生まれ。1990年代前半より演劇や現代美術に関わり、1995年に表現の場としてのショップ「6%DOKIDOKI」をオープン。現在は東京とニューヨークに拠点に、一貫した独特な色彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントの垣根を越えて作品を制作。きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MV美術、KAWAII MONSTER CAFEプロデュースなど、世界にKawaii文化が知られるきっかけを作った。
2009年から2011年にかけて原宿の歴史やKawaii文化について発信するワールドツアー「Harajuku “Kawaii” Experience」を欧米中心に20都市以上で実施。2014年NYで開催した個展「Colorful Rebellion –Seventh Nightmare-」以降、国内外で展覧会を開催し、2017年には文化庁文化交流使としてNYとアムステルダムを拠点に講演と作品制作を行った。
パンデミックを機にコミュニティの在り方に深い興味を持ち、世界中のKawaiiコミュニティを通じて、人種・宗教・年齢・性別・国境、ありとあらゆるボーダーを飛び越え、デジタルを通して繋がることができる新しいトライブ「Digital Tribe」を提唱。世の中に存在する全ての事象をマテリアルとして創造しつづける。
2017年度 文化庁文化交流使 / 2018年度 ニューヨーク大学客員研究員 / 2019年 Newsweek Japan 世界が尊敬する日本人100人
大野 秀敏(おおの ひでとし)
横浜国立大学 先端科学高等研究員 特任助教
東京下町育ち。慶應義塾大学大学院SFC 政策メディア研究科修了(技術経営・イノベーション論)。外資系大手精密機械メーカーにてソリューション企画・マーケティングマネジャーを務め海外パートナーとのコラボレーションプロジェクトを多数経験。2014年よりジェネラルプロダクトマネジャー、システム開発部門長などを歴任し、2021年より現職。大学研究成果の事業化支援、サイエンスアウトリーチ活動を主に、現在は横浜地区のR&D関連企業を中心とした産学官コミュニティ企画運営などに取り組む。
研究イノベーション学会プロデュース研究分科会員。パラレルキャリア(プロボノ)として2021年NPO法人ZESDA加入。
講座詳細
タイトル | 「“Kawaii”をプロデュース~世界にもっとイロドリを~」 |
開催日時 | 2022年8月12日(金)19:00~21:00 |
開催形式 | ZOOMを活用したオンライン開催 ※お申し込み後、ZOOMリンクを送らせていただきます。 |
料 金 | 無料 |
主 催 | 研究・イノベーション学会「プロデュース研究分科会」 |
共 催 | NPO法人ZESDA |