多くの方にお申し込みいただき、ありがとうございました。
なお今回のプロデュース人材育成講座は、会場とオンラインのハイブリッド開催となります。会場ではゲストの方に直接質問する絶好の機会ですので、ぜひ会場まで足までお運びいただけますと幸いです。
本講座は、研究・イノベーション学会「プロデュース分科会」とNPO法人ZESDAが共同開催し、多様なプロデュース事例や理論を学習しながら、「気づき」「視点を変え」「考察する」ことによって産学連携を真の成功に導くための推進力を醸成することを目的としています。
2021年以降のシリーズでは、現場における実践知をより立体的に深めていくため、プロデュースする側とされる側の「関係性」に関する研究に踏み込んだ内容となっています。多くの事例に触れることで様々な角度からの知見を得られるよう設計された講座ですので、続けて参加されることをお勧めします。
今回の講座について
まだ諦めない!日本の研究力
10月に2023年ノーベル賞受賞発表が行われました。今年もそこに日本人受賞者の名前はなく、研究者ならずとも複雑な思いを持った方も多いでしょう。文部科学省(NISTEP)が発行した最新の報告書では、日本は世界に注目される論文などの研究成果をかつてのように生み出せなくなっているとのデータも示されています。
大学や企業などの研究開発費や研究者数の伸びも他の主要国より小さく、論文数でも中国・米国などの国々を追いかける状況が続いています。しかしその一方で、新規に採用される女性研究者の割合や、大学と企業が共同で実施する共同研究の件数、大学の知的財産権収入などは長期的な増加傾向にあり、日本の研究力は世界の中で存在感を示すポテンシャルをまだ十分有していることを見て取ることもできます。
知的探求心が拡げる科学研究領域と世界拠点への挑戦
日本の研究者が夢を持って独創的な研究テーマに取り組み、世界レベルのすぐれた研究成果を継続的に手にするためには何が必要なのでしょうか。日本を代表する科学者・研究者が描くビジョンや、その研究キャリア・研究システムを自らの手でどうプロデュースしてきたのかを知ることは、その大きなヒントになるかもしれません。
今回お話しを伺う森郁恵さんは、博士課程の海外留学中に線虫を用いた生命科学研究に出会いました。長さわずか1mmほどの線虫にさまざまな温度環境条件を与えることで、その行動学習や記憶をつかさどる神経回路の同定に成功した生粋のサイエンティスト。その後、名古屋大学大学院理学研究科附属ニューロサイエンス研究センターを創設し、遺伝学や分子生物学・神経科学などの専門基礎研究を大切にしながらも、私たち人間の日々の社会的営みから文化芸術活動といった創造的行動にいたるまでその関心領域を大きく拡げ、学際的 *1 なアプローチで神経ネットワークの動作原理解明を目指しています。
今回のプロデュース人材育成講座では、次のような関心がある方に特におすすめです。
- 研究者の心を突き動かす原動力はどこから生まれるのか
- 研究構想力や世界観・大きなビジョンを持つために大切なこと
- 人との出会い、チームワーク、コミュニケーションが育てる創造性
今回のプロデュース人材育成講座では、森さんがニューロサイエンス研究センターの創設に注いだ情熱や、人・社会とのつながりに関するお話しを通じ、「プロデューサーシップ」の要点を見つけてゆきます。
登壇者プロフィール
森 郁恵(もり いくえ)
名古屋大学大学院理学研究科 ニューロサイエンス研究センター シニアリサーチフェロー
1957年東京生まれ。遺伝学者、神経科学者
お茶の水女子大学理学部生物学科では、ショウジョウバエを用いた集団遺伝学研究を行う。修士課程在学中に、英国サセックス大学に留学、理論生物学に触れる。1983年ワシントン大学(セントルイス)生物医学系大学院博士課程に進学、線虫を用いた生命科学研究に出会う。
1988年線虫の遺伝的研究により博士号取得。1989年より九州大学理学部生物学科助手として線虫行動とその神経回路の解析を開始し、1998年より名古屋大学大学院理学研究科助教授として研究室を主宰。2004年同研究科教授。
2006年から2012年まで、科学技術振興機構CREST「生命システムの動作原理と基盤技術」の研究代表者として、線虫を用いた「行動を規定する神経回路システム動態の研究」を開始。以降、記憶、学習、意思決定などの脳の本質を解明するため、特定の研究手段に留まらない、学際研究を推進する。
2017年名古屋大学大学院理学研究科にニューロサイエンス研究センターを発足させる。初代センター長として、小型動物を用いた神経科学研究の世界拠点を目指す。同年センターに、雪印メグミルク社による産学協同研究講座を開講、線虫やショウジョウバエを用いた産学連携研究の推進にも務める。
参考URL:
大野 秀敏(おおの ひでとし)
横浜国立大学 総合学術高等研究院 共創革新ダイナミクス研究ユニット特任助教
研究・イノベーション学会 プロデュース研究分科会 幹事
中小企業診断士、米国PMI認定Project Management Professional(PMP)
大手精密機器メーカーでオフィス向け商品やワークフロー支援サービスの企画開発・プロダクトマーケティング等に長年従事。海外企業との共同プロジェクトを数多くリードし、チームワークの楽しさや達成感・感動と挫折を経験。統括プログラムマネジャー、システム開発部門長から現職に転向し、現在は研究アウトリーチ活動や大学研究成果の社会実装、横浜地域を中心とした産学官プロジェクト企画運営などにも取り組む。
会場にてZESDAの書籍を販売します
研究・イノベーション学会「プロデュース研究分科会」が過去に開催してきたプロデュース人材育成講座を1冊の書籍にまとめました。数多くのプロデュース成功事例を3つの体系に分類する形で解説していますので、「プロデューサーシップ」を俯瞰的にご理解いただける内容となっています。
当日、会場の受付に書籍を用意させていただきます。直接ご覧いただけますので、ご興味ある方はぜひ会場にお越しください。
書籍に関する詳細はこちら »
講座詳細
タイトル | 「研究所をプロデュース ~ 夢を育む場所をつくろう ~」 |
開催日時 | 2023年11月27日(月)18:30~20:30(会場ご参加の方は18:00より受付を開始します) |
開催形式 | ■会場 RIVERLD神田B(詳細はこちらからご覧いただけます) 住所:東京都千代田区 神田須田町1丁目20−2 製麺会館ビル3階(Google Mapはこちら ») (東京メトロ銀座線 神田駅 徒歩1分/JR神田駅 徒歩3分/JR秋葉原駅 徒歩4分) ※会場の都合上、先着30名様限定とさせていただきます。 ■オンライン |
料 金 | 無料 |
主 催 | 研究・イノベーション学会「プロデュース研究分科会」 |
共 催 | NPO法人ZESDA |