2016年8月23日に日本経済大学大学院246ホールにて第14回プロデュース・カレッジを開催致しました。
プロデュース・カレッジでは、最初にワークショップを行い、次にプロデューシングに繋がるゲストの講演を聞いた後、講演で得た気付きを元に再びワークショップを行い、議論を深めるという形式を採っています。
最初のワークショップでは「職場や学校で困っていること」について参加者の方々に議論していただきました。
続いて講演では、株式会社テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利氏をお招きし、「次世代の働き方をプロデュース!~テレワークが日本を救う~」についてご講演いただきました。
「テレワーク」と聞くと、コールセンターのような職業をイメージされる方もいるかもしれません。
しかし本来の意味は「テレ(離れた)ワーク(仕事)」、すなわち「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のことを言います。
今でこそテレワークは徐々に認知されてきましたが、田澤氏は15年前からテレワークを活用した企業のありかたを模索されてきた方です。
当初は田澤氏がテレワークのことについて話しても誰も見向きせず苦労されましたが、近年はその功績が認められ、厚生労働省の在宅勤務モデル実証事業検討会の委員などに抜擢され、先日は安部総理大臣に育児支援について提言されたそうです(安部総理に著作の帯の推薦文を依頼したところ快諾されたエピソードについても紹介していただきました)。
ここまで読まれて、「自分は育児休業しないから関係ない」とか「テレワークは結構だが実際に導入するのは無理」と思われた方もいらっしゃるかと思います。
しかし、今後は共働きの増加、生涯未婚率の増加などに伴い、男女ともに両親の介護のために就業を続けられない、いわゆる「介護離職」が社会問題になっていきます。
もし社会にフルタイムでしかまともに働けない企業しかなかった場合、果たしてあなたは仕事と介護の両立を実現できるでしょうか。
「自分には絶対に無関係」と言える方はごく少数でしょう。
時短で働くなど、テレワークは柔軟な働き方をするために避けて通れないテーマなのです。
また、テレワークの導入については、田澤氏から一つずつ解決方法を教授していただきましたが、例えば勤務状況の確認については、仕事を始める際は「着席」ボタンを押し、仕事を終えるときは「退席」ボタンを押して、勤務時間を管理するツールを紹介されました。
しかも、在籍中はデスクトップ画面を一定の時間ごとにキャプチャし、管理者が一覧で確認することができることで、上司は部下がサボっていないかチェックでき、在宅勤務者は自分がちゃんと仕事をしていることが上司に見てもらえるという安心感を得られるという抜けのない仕様となっており、経営者としてテレワークを実践されてきた田澤氏のノウハウが詰まっています。
今回のテレワークの導入は、15年前はニーズすらなかったところから事業を始められて市場を創ったという点で、ZESDAのプロデューサーシップによるイノベーションの実現を体現している例だと言えます。
この講演を受け、2回目のワークショップでは「1回目のワークショップで出た困っていることの解決方法」について議論してもらったところ、社内のコミュニケーション不足について、週礼と上司に部下が行う「逆勉強会プロジェクト」を行うといった案が出るなど、課題をいかに工夫して解決していくかについて参加者が真摯に議論をかわしていました。
そして、カレッジの後は懇親会が行われ、参加者同士での活発な交流が行われました。
今回に限らず、カレッジ後には毎回、懇親会を行っていますので、普段は出会わない異業種の方と交流していただき、新たな気づきやビジネス・チャンスが得られる場を今後とも提供していきたいと思います。
(NakiOtoko)