2013年3月2日に日本経済大学渋谷キャンパスにて第5回ZESDAプロデュース・カフェ「SNSによる地域力プロデュース」を開催しました。
プロデュース・カフェでは①最初にワールド・カフェ形式のワークショップを行い、②次にプロデューシングをテーマとしたゲストの講演を聞いた後、③講演で得た気付きを元に再びワールド・カフェを行い、議論を深めるという形式を採っています。
今回は「SNSによる地域力プロデュース」というテーマで参加者の方に議論していただきました。
また、講演はインフォミーム株式会社の代表取締役、和崎宏氏に「SNSによるプロデューシング」というテーマでお話をいただき、一般的にはまだ馴染みのない地域SNSのこれまでの実績と可能性についてご教授くださいました。
和崎氏は地域SNSを「21世紀の井戸端会議」として、地域性や安心感など、大規模なSNSサイトとは異なる利用目的が活かせるコミュニティサイトと位置づけられています。
例えば、2009年に兵庫県佐用町で集中豪雨が起こった際に、災害対応で古タオルが大量に必要になりましたが、佐用町の地域SNSでの情報発信を契機に、各地の地域SNSでの自発的な呼び掛けが拡大し、全国各地から4日間で26,000枚以上の古タオルが集まった事例を紹介されました。
さらに、もうひとつの事例として、東日本大震災の後、東北に兵庫から支援物資を届けるため、各地の地域SNSが連携してバケルリレー式に支援物資が東北に向けて運ばれ、無事支援物資を送り届けることができた「大震災【村つぎ】リレー」プロジェクトの事例を紹介されました。これは兵庫から直接、東北に支援物資を輸送しようとしたら、人員的・予算的制約により到底実現できなかったことで、SNSを介して各地域が有機的に結びついたからこそ実現したといえる出来事です。
以上のようなご講演を聴いたことで、SNSが友人・知人と繋がるツールとしてだけはなく、社会に貢献する力を持っていることを参加者が気づき、その後のワールド・カフェではより具体的かつポジティブな内容で議論できるようになったと感じました。
和崎氏はこのカフェにもご参加になり、最後には講評をいただきました。その際には、「地域のネットワークは「見える化」されていないといけない。見える化されていることで、小さなことでもみんなの力で解決していくことによって、知識が堆積していき、コミュニティが更に活性化していく」といったお話があり、SNSという新たなツールを地域コミュニティの再生に活用する一つの方法をご教示していただきました。
カフェの後は和崎氏も含めて20名程度が参加して懇親会が行われました。今回に限らず、カフェ後には毎回、懇親会を行っていますので、普段は出会わない異業種の方と交流していただき、新たな気づきが得られる場を今後とも提供していきたいと思います。
(NakiOtoko)