佐野プロジェクト
Sano Project
佐野藍普及プロジェクト
Context「佐野と藍」
佐野市の旧安蘇郡における「藍」の歴史は古く、江戸時代から明治30年代までは藍草を育てる多くの藍農家や、藍同業組合も存在した。明治30年には藍葉を買い入れて藍玉に加工する同業組合員が63名在籍したとの記録があるが、組合員の資格として求められたのは、藍玉の製造・仲買及びそれに準ずる紺屋(染め屋)であることだった。
しかし、明治37年に安価な合成藍が輸入されたことをきっかけに日本の伝統的な正藍染めは衰退の道をたどり、佐野市からも藍は消滅した。
Action「佐野藍復活プロジェクト」
100年以上も前に滅びた佐野藍(すくも=藍染めの染料)を復活させようと、佐野市民の有志が立ち上がり2012年から佐野藍復活プロジェクトが始まった。
同市の藍染師大川公一氏を中心に藍農家6軒によって藍草の栽培からすくもを作り、そしてついに、正藍染めまでの一連の伝統的手法の復活を果たした。
一方で、藍の栽培から藍染までの一連の生産は現在も続いているが、藍農家が限定されていることによるすくもの生産量や品質確保、多くの時間と労力を要する正藍染製造の体制強化が課題となっている。そこで、正藍染製品の販売促進を含め、佐野藍の存在を広めることを目的にプロジェクトを開始した。
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Support by ZESDA
2022年10月8日にニューヨークで開催される日本の伝統素材を使ったファッションショー「SAKURA COLLECTION」に出品することになったため、佐山シニアプロデューサーを中心に佐野藍のサポートを開始した。
SAKURA COLLECTION代表・田畑則子氏の現地訪問を始め、佐野藍紹介動画制作のためZESDAメンバーも現地を訪問、限られたリソースとメンバーのポテンシャルで、「佐野藍=SANO BLUE」を完成することができた。
■佐野市観光協会 藍染PR動画
その他、佐野市の美しい自然、天明鋳物の風鈴、県内最古の蔵元からできる日本酒、蕎麦、佐野ラーメン等佐野市の魅力とポテンシャルを知り、佐野市は、モノ作りのできるクリエイティブな街として活性化できるのではないかと、現地取材で感じたことだ。
今回に限らず、佐野市活性化のための地盤作りを担って行きたい。
プロジェクトメンバー
佐野、栃木県南インバウンド推進プロジェクト
Context「栃木県南へのインバウンド」
日本政府観光局(JNTO)」によると、2024年通年で日本を訪れた外国人客数(インバウンド)は3686万9900人となり、過去最多だった2019年の3188万2000人を上回った。2025年は4000万人超えが予想されている。しかし、その8割以上は東京、大阪、京都などの有名観光地に集中しており、これが「オーバーツーリズム」という大きな問題を引き起こしている。一方で、それ以外の地方は誘客に苦戦しているのが現状となっている。しかしながら、「初めて日本を訪れる観光客も、何度も日本に足を運ぶリピーターも、混雑した有名スポットを巡るだけではなく、地方のユニークな体験を求める旅に注目している」、という調査結果*も得られている。
*日本政策投資銀行 日本交通公社 「アジア・欧州豪 訪日外国人旅行者の意向調査2023年度版」(2023年10月)
Action「ローカルリビングツアー」
栃木県の観光地といえば、世界遺産登録されている日光東照宮や中禅寺湖などがある日光が有名であり、栃木県南部は東京から日光の中間に位置するために単なる通過点となっている。そこで本事業では、佐野市と栃木県南のローカルな魅力を新たな視点から紹介し、インバウンド観光客を呼び込むツアープロジェクトを開始した。
■ローカルリビングツアー公式サイト
ローカルリビングツアーの特徴
観光地化されていない静かな街並みを巡るこのツアーでは、ガイドが駅でお迎えし、地元の人々しか訪れない場所で、カスタマイズされたアットホームなツアーを、交流を楽しみながら体験してもらう。
何気ないローカルな風景や地元の方との触れ合い、日本の伝統職人技を見て体験、郷土料理を習って地元の方と食し、インバウンド観光が一過性のブームで終わらないよう、持続可能な観光ルートの構築を目指す。また、これから海外市場へ進出を考えている地方のアーティストや中小企業(伝統工芸、農産物・飲食品、サービス業など)のモニターの場としても活用できる計画も進めている。
ツアー例
- 佐野らーめん道場:日本国内で人気・知名度の高い佐野らーめん。市内にらーめん店が200軒もあるらーめんの聖地で、ラーメン作りを体験。青竹で麺を打ち独特のちぢれ麺を作る2時間クラスから、スープからトッピングに至るラーメン製作全般に加えて歴史などを学ぶ1日間クラス、さらには自国でラーメン店を開きたい方への3日間集中マスタークラスなど。
- 酒蔵、酒テースティングと演芸:10種類ほどのお酒を楽しみながら、地元の和楽器奏者や舞踏家の演芸を鑑賞、体験するプラン。
- お料理教室:地元の食材をふんだんに使ったお料理を学ぶクラス。お弁当作り、栃木江戸料理、食材選びにマーケットや畑を訪問するプランもあり
- 茶道・お寺体験:佐野市の伝統工芸品である「天明鋳物」の茶釜でたてたお抹茶を、美しいお寺の庭を眺めながらいただき、住職の法話、Q&Aセッション、座禅をして瞑想を体験するプラン。ヨガや華道などを入れたプランもあり。
- 日程:都内からの日帰りをはじめ、1~3泊も対応。
■ローカルリビングツアー紹介動画
この活動によって、佐野市と栃木県南にたくさんのインバウンド観光客が訪れる基盤をつくり、地元の活性化に貢献していきたい。