大澤教授訪問(第2回:2015年1月9日)  「イノベーション・ゲーム」とは?


2015年1月9日、ZESDAスタッフは、「チャンス発見学」やゲームを利用してイノベーションを導く方法を研究する東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻大澤幸生教授の研究室を訪問しお話を伺ってきました。2014年11月22日の訪問に続く2回目の訪問となります。

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(大澤研究室の様子)

■イノベーションゲームとは?

新しいチャンスを発見したり、ある問題のまったく新しい解決方法を発見したりする過程では、現実の制約や条件をどんどん見つけて、それらを克服していくことが必要となります。大澤研究室では、このプロセスに遊びの要素を取り入れゲーム形式にした「イノベーションゲーム」を開発しています。

イノベーションゲームでは、参加者は「起業家」か「消費者」のいずれか、あるいは両方の役割を携えて発言します。起業家は、既存の知識や技術などの要素がどのように関係し合っているかを、前回訪問時にお伺いした、「キーグラフ」“Key Graph” などによって可視化したゲーム盤を見ながら、要素(基礎カード)を組み合わせた製品やサービスの案、その希望価格を示します。一方、消費者側は、示されたアイデアを高く評価する場合は購入しますが、そうでない場合はアイデアの価格を下げる要求を出したり、質を上げるための改善を促したりします。この際には、多少厳しい質問や批判が行われても、ゲームであるという前提があることが、それらが許容される雰囲気を生んでくれます。最終的には、起業家は獲得金額を競い、消費者は購入したアイデアの質(新規性、有効性、実現性等)をプレゼンテーションすることによって競います。場合によっては、起業家、消費者の他に、ディーラーや投資家という役割を加える場合もあります。(イノベーションゲームについては、

イノベーションの発想技術―ゲームでひらくビジネスチャンス

イノベーションの発想技術―ゲームでひらくビジネスチャンス

に詳しく記載されています。)

またこのイノベーションゲームは、各人が持つ知識を持ち寄って新しいアイディアや潜在的なニーズを考えるグループワークであるという点で、ZESDAが行った「クロスカルチャーゲーム」とも類似点が見られるものです。そこで先生には、我々が行ったクロスカルチャーゲームの手法の説明をした後に、その違いを中心に、イノベーションゲームについてのご説明とZESDAで行うニーズ精査のアドバイスをいただきました。

今後共ZESDAは、大澤研究室とともに、海外ビジネスチャンス発見に向けた試行を続けて参ります。