いざ・プロデュース革命!

タグ:

【書評】プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る

プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る

本著は、岡本太郎が創設した現代芸術研究所を主催し、
「リスボン国際博覧会日本館」、「川崎市岡村太郎美術館」、「六本木ヒルズアリーナ」
などを手掛けた一流プロデューサー・平野暁臣(ひらの あさおみ)氏による珠玉のプロデュース理論・イロハ本である。

本著は大きく2部に分けることができる。
第1部においては、ケース「六本木ヒルズアリーナ」をとりあげ、
下記のそれぞれのカテゴリー(「プロデュースの決め技」:筆者の造語)に沿って丁寧に解説をしている。

→◆プロデュースの決め技
・構想:基幹アイディアを生み出す
・計画:具体的枠組みを組み立てる
・編成:実務執行体制をつくる
・解述:理念と構造を語る
・監修:実務作業を監修する
・予測:仕上がりと成果を予測する
・調整:予測結果に基づき調整する
・管理:進行をマネジメントする
・承認:重要事案を判断・承認する
・渉外:対外的な説明と折衝を行う

 

第2部においては、ケース「Japan Design 2006, Bangkok」をとりあげながら、
1部で扱っていたプロデューサーの決め技をより深化させてプロデューサーの基本原理・構造に迫っている。

→◆プロデュースの原子構造
・Mission=基本使命:そのプロジェクトでなにを実現し、なにを獲得するのか
・Principle=基本思想:どんな哲学の下にプロジェクトを進めていくのか
・Strategy=基本戦略:いかなる方法をもってプロジェクトに臨むのか
・Theme=基本主題:プロジェクトを通じて発信すべき概念とはなにか
・Vision=基本情景:プロジェクトでどんなシーンを現出させたいのか
・Structure=基本スキーム:プロジェクトの展開形式をどう組み立てるか
・Contents=基本エレメント:プロジェクトに織り込むべき成分とはなにか
・Formation=基本フォーメーション:プロジェクトを進める体制をどうつくるか

 

読後は、思わず「こんなにプロデュースに関するノウハウ」を放出しまって、本当に大丈夫なのですか!?と勝手に心配してしまいました・・・(笑)

個人的に海外ビジネスの「プロデュース」を普及させるNPOのスタッフをしているので、
今回の貴重なノウハウを自分たちの団体にもぜひとも生かしていきたいと強く思いました。

プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る

プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る